どうも。投資家スケーターです。
FXは、価格変動による為替差益によって利益を得るという方法の他に、
「スワップポイント(スワップ金利)」というもので利益を得る方法があります。
今回は、その「スワップポイント」について解説していきたいと思います。
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キャピタルゲインとインカムゲイン
FXにおいて、(ほとんどの”投資”というものも同様)
利益を得るその方法は、2つあります。
1つ目は、「安く買って、高く売る」、「高く売って、安く買い戻す」という、
各通貨ペアの値上がり・値下がりで生まれる差益を狙った売買による「キャピタルゲイン」。
もうひとつは、「金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買う」取引を行ったときに発生する、各通貨の金利の差を狙う「インカムゲイン」というもの。
そして、その「各通貨の金利の差から得られる損益」が、
「スワップポイント」というものになります。
「スワップポイント」は、スワップ金利、スワップ、スワポ、とも呼ばれたりもします。
スワップポイントはなぜ発生する?
この「スワップポイント」というものが生まれる仕組みについて簡単に解説しますね。
先ほどの説明の中で、
「各通貨の金利の差から得られる損益」=「スワップポイント」
ということでお伝えしました。
試しに、ドル/円の通貨ペアの場合で考えてみましょう。
まず、日本の「円」の金利は0.1%、米国の「米ドル」の金利は0.5%です。(記事作成時点で)
で、ドル/円を10万通貨ロング(買い)したとすると、
「日本円」を売って、「米ドル」を買ったことになりますよね。
すると、「米ドル」金利0.5%-「日本円」金利0.1%=0.4%
ということで、
0.4%の金利の差が発生します。
この各国の通貨の金利の差、その分の利息が、
あなたが保有する「ポジションの量」=「通貨の量」によって変わり、
それが「スワップポイント」としてあなたの手元に入ってきますよ、というわけです。
つまり、この場合でその時のドル/円のレートが100円だとすると、
0.4%×100円×10万通貨=40,000円なので、
ざっくり、1年で得られるスワップポイントは40,000円ということになります。
ただ、なんとFXでは、
1日ごとにスワップポイントが入ります。
先ほど「円は0.1%、米ドルは0.5%」と言っていたのは、
「年利」なんですよね。
ということは、さっき計算した1年分のスワップポイントを365日で割ると、
1日でもらえるスワップポイントがわかる、ということになります。
40,000円÷365=109.5円
したがって、ドル/円を100円の時に10万通貨ロングすると、
ポジションを立てた翌営業日から、1日経つごとに、
109.5円が「スワップポイント」として、あなたの手元にお金が転がり込んでくる、
ということになるわけです。
そして、ずーーーっとその通貨ペアを保有し続ければ、
営業日が変わるごとに、毎日毎日スワップポイントがあなたの元へ入り続けます。
もちろん、その間にあなたがすることは、特にありません。
つまり、遊んでいようが、寝ていようが、何をしていようが、
あなたがその通貨ペアを保有している間はずっと、そのスワップポイントによって、
あなたのFX口座の資金は増え続ける、ということです。
ん?ということは・・・
この仕組みでは、
なるべく金利の低い通貨を売って、
出来るだけ金利の高い通貨を買えば、
大きくスワップポイントが得られる、ということになります。
金利の高い通貨といえば、
コルコリラ(7.5%)、南アフリカランド(6.75%)、
中華人民元(4.35%)、オーストラリアドル(2.0%)、
ニュージーランドドル(2.5%)などがあります。(記事作成時点で)
「ん?ということは、毎日寝たままチャリンチャリン♪するには・・・、
全財産にMAXのレバレッジをかけて・・・、
「トルコリラ/円」をロングして、一生手放さなきゃいいんだな!」
と思いますよね?
単純に考えたらそうなります。
しかし、実はそれは大変危険なことなんです。
こちらの記事でもお伝えした通り、
そもそも金利が高い通貨というのは、「金利を高くしないといけないそれなりの理由」というものが必ずあります。
その「それなりの理由」というのは、トルコと南アフリカ、中国をちょっと調べてみればすぐわかると思うので、ここでは詳しくは触れませんが、
ざっくり言いますと、「そうでもしないとお金が集まらないぐらい国内の経済がヤバい」ということです。
そして、上記の3つのような、俗にいうマイナー通貨は、
FXではほとんど取引されないので、流動性がきわめて低いです。
ちょっと大きな金額の取引があると、
もうそれだけでどーんと値が動いたりします。
そんな値動きが不安定な通貨ペアを全財産にMAXレバレッジかけて、
ロングポジションを保有し続けることしか考えず、一生耐える、となると、
どうなるか結果は目に見えています。
きっと、
スワップポイントで得られる利益なんてちり同然になるくらいの為替差損が発生して、
一瞬でロスカットになります^^
さらには、為替差損はともかくとしても、
もうその国の通貨自体が紙切れ同然になる可能性だってあるわけです。
そうなればもう、自国の通貨と換金出来なくなるかもしれません。
たとえ、レバレッジを低く抑えたとしても、その分もらえるスワップポイントは減りますし、
価格変動によって、スワップポイントで得た利益がちりになる可能性はあまり変わらないわけです。
仮に、がっつりスワップポイント狙いのトレードをするならば、
それなりの資金量を用意して、レバレッジは1~3倍くらいに抑え、
「最悪、全額その国の通貨で受け取ることになってもいい!」
という気持ちでポジション保有し続けるくらいの覚悟が必要です。
ちなみに、リーマンショック以前は、
「円売りのキャリートレード」というスワップポイント狙いのトレードがかなり流行っていて、
トレードの知識も全く無いままに、「寝たままチャリンチャリン♪」な方たちも大勢いらっしゃったようです。
・・・うらやましすぎますね。(本音)
が、当然、リーマンショックの半端じゃない暴落によって、
その方たちもちりになったという結末です・・・。
というわけで、
大きくレバレッジを効かせられるというところが最大の魅力であるFXにおいては、
「スワップポイントはおまけ」ぐらいに考えておいた方が良いかもしれません^^
(私はスワップはまったく無視してます。)
ロングポジションをひたすら保有して耐えるスワップポイント狙いのトレードでは、
売り買い両方でチャンスがあるという、FXのメリットを全然生かせません。
(そもそも小資金の私たちに、
スワップ狙いのトレードをする資金力なんて無い、
なんてことは言わないで(/ω\))
売りも買いも自由自在に使い分け、
ガッチリ為替差益狙いに行くのが、現在のFXでの王道のトレードなのです。