どうも。投資家スケーターです。
ここまでの「1章 トレード戦略」では、
チャート上の値動きから読み取れる情報を使って戦略を立てる方法を学んできました。
私たちは勝ちやすい場面のみでトレードを行うために、
「環境認識」というものを行い、そこから「優位性」というものを探していくわけなんですが、
この「優位性」というものは、何も値動きやチャートの形だけから見つける物ではありません。
今回は、チャート上の値動き以外の部分から読み解く「優位性」のひとつとして、
”時間帯の優位性”と”横軸の節目”について学んでいきたいと思います。
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ご存知でしょうか?
あなたは、FXが24時間取引が可能なことをご存知でしょうか?
はい。
今、どこからともなく
「なめんな」
と聞こえて来ました。
このことはさすがにご存知ですか。
では、
あなたは、
24時間取引が可能なFXには、
各時間帯ごとに通貨ペアごとの値動きに”特徴”があることをご存知でしょうか?
そして、
その”時間帯ごとの値動きの特徴”を上手く利用することで、
チャート上の値動きをただ追いかけるよりも、
遥かに優位性のあるトレード戦略を立てられることをご存知でしたでしょうか?
為替相場には「時間割」がある
実は、為替相場には「時間割」というものが存在します。
(記事の最後に「為替相場の時間割表」をプレゼントしますね^^)
この「時間割」っていうのは、
一時間目は「国語」、二時間目は「算数」、三時間目は「体育」、
四時間目は「図工」で、それが終われば待ちに待った給食の時間!といった、
あなたも学生時代にお世話になったことのある、あの「時間割」のことです。
これが為替相場にも存在すると。
しかし、学校の時間割の場合であれば、
一時間目が「国語」ならば、その45分間はひたすら国語についてのみを勉強するわけで、
その時間に勝手に「図工」なんかしようもんなら、先生に見つかり次第こっぴどく怒られてしまうわけなんですが、
為替相場の時間割の場合は、「国語」の時間に堂々と「図工」をしていても特に誰にも怒られはしません。
そこまでの明確な縛りはないのですが、
単純に「国語」の時間は素直に「国語」を勉強しておいた方がいいよね?
というか、
なんでわざわざ今「図工」してんの?というお話にはなってきます。
では、
「為替相場の時間割」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
これは”為替相場が動く理由”を考えることで、その全貌が見えてきます。
あなたもご存知の通り、為替レートとは、”ある国の通貨”と”ある国の通貨”の交換比率を表しているものです。
そしてこれが変動する理由は、価格(レート)はなぜ動くのか?という記事でもお伝えした通り、
各国の景気動向、株価・金利・物価の影響、
投機的な「売り買い」(一般投資家やファンドなど)、
実需筋(企業などのビジネス系)の買い入れや決済など、
様々な理由があり過ぎて詳細に特定するのは不可能なレベルなのですが、
シンプルに考えると、「誰かの”買い”、誰かの”売り”」で動いているという事に他なりません。
では、その「誰か」とは一体誰なのか?
ここを考えることが、「為替相場の時間割」というものを理解して、
自分のトレードに有効に活用していくために非常に重要になってきます。
この「誰か」とは、その大部分は、
実需筋と呼ばれる、輸出入の際に外貨による支払を必要とする企業や、
投機筋と呼ばれる、お金持ちから集めた資金にレバレッジを掛けて短期間で大きな利益を狙うヘッジファンド、
投資信託会社、生命保険会社、損害保険会社、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を代表とした年金の運用基金などの、
超ざっくり言ってしまえば、
スーツを着て朝から会社で働いているような人たちです。
(中でも、相場に存在する割合は「需要筋2:投機筋8」と言われています。)
この人たちの動向が、この為替相場にとても大きい影響を及ぼすのです。
逆に私たち個人投資家のような、24時間自分の好きなタイミングでトレードをするような人たちは、
この為替相場の中での影響力は、”塵(ちり)”くらいのもんです。
しかしながら、
最近はこの”塵”の数も激増してきており、その影響力もバカにできなくなってきた、
なんてことも聞きますが、スーツの方々のお力に比べるとやはりそれは微々たるもんでしょう。
スーツを着ている彼らは、為替も取引しますが、主に各国の株や国債を取引して利益を出そうとしています。
したがって、彼らはその国の市場のオープンと同時に動き出します。
そして、彼らが直接的には為替を取引せずとも、
他国の株や国債を買う時は自分の持っている自国の通貨を一旦両替する必要が出てくるので、
結局は為替相場にも影響を与えることになるのです。
つまり、スーツを着ている方々がバリバリ仕事をしている時間帯は、
彼らの様々な事情や思惑により、その国の通貨の取引量が増えるに違いない、ということ。
なので、”ボラティリティが高くなる(なりやすい)”ということが言えるのです。
それに加えて、この地球上には”時差”というものがあります。
そのせいで、スーツを着ている方々の体感としては、自分たちは朝から夕方までしか働いていないのですが、
地球規模で見れば、どこかの国では必ず朝です。
そう。
地球規模で見れば、スーツを着た人は働きっぱなしというわけです。
しかしならが、この働きっぱなしのスーツを着ている方々の中でも、
東京、ニューヨーク、シカゴ、ロンドンを始めとする
世界各国の大都市を拠点に活動している方々の影響力はとりわけ強く、
それ以外の国々で活動しているスーツマンたちの影響力は取るに足りません。
そしてその影響力の大きさは、大都市の市場の大きさに比例します。
つまり、
”世界の大都市で活躍するスーツを着ている方々が活発に活動する時間”が、
為替相場においては”ボラティリテイが高くなる時間”であるということ。
そしてそれが、
地球の”時差”により、
24時間眠らない為替相場の中で、「時間割」のようになって存在する。
これが、「為替相場の時間割」を作っているものの正体です。
為替相場の時間割表
それでは、
その「為替相場の時間割」を”表”にしてみたので、まずはご覧ください。
これが「為替相場の時間割表」です。
見方はというと、一番左はそのまんま「時間」。
黒い棒を挟んでその横に書いてある”各国の市場のオープン・クローズ”、”指標発表”が「時間軸(横軸)に存在する節目」で、
一番右の”東京セッション”、”ロンドンセッション”、”ニューヨークセッション”、”コアタイム”が「時間帯の優位性」を表しています。
!注意!
ちなみに、世界各国では「夏時間」と「冬時間」というものを導入しており、 こちらの”表”は「夏時間」のものになります。
冬時間の場合は、この表では16:00からになっている欧州株式市場のオープン時間が、 1時間遅い17:00からとなり、以下のスケジュールもすべて1時間遅れとなります。
なので逆に言うと、東京セッションだけが一年中、不動の9:00~15:00というわけです。
「夏時間」は4月~10月頃、「冬時間」は11月~3月頃です。
「夏時間」と「冬時間」が入れ替わる詳細なタイミングは、 お使いのFX業者から必ずアナウンスがあるので、 その知らせさえ見逃さなければ問題なく気付くことが出来るのでご心配なく。
それでは今から、上から順番に「時間割」の中身についてざっと解説していきたいと思います。
新しい日足が誕生する【6:00】
いきなり「クローズ」から始まっているという、なんとも不思議な感じの時間割ですが、
この時間は、主にチャートを見て売買する私たちテクニカルトレーダーにとっては、とても重要な時間です。
24時間取引可能なFXにおいては、
一番影響力の巨大な米国株式市場の終了(NY時間で17:00)をもってして1日が終了したとみなします。
つまり、この6:00という時間こそが、
それまで形成されて来ていた日足が確定し、新たな日足が誕生する時間なのです。
6:00、この時間はトレーダーならば絶対に覚えておかねばならない時間です。
と言っても、この事すら知らずにトレードをしている人もめちゃくちゃ多いです・・・。
もしあなたも知らなかったなら、今ここで必ず覚えて下さいね^^
オセアニア市場【5:00~15:00】
あえて時間は書き込まなかったこの「オセアニア市場」。
実は5:00からオープンしてます。クローズは15:00。
この市場はあまり大きな力を持った市場ではないので、個人的には存在をほぼ無視してます。
というか寝てるし、この時間。
まあ豪ドルやニュージーランドドルをよく取引する人であれば、注意しておいた方が良いのではないでしょうか。
と、普段の注目度の低さゆえに、若干投げやりな感じの解説になってます。
しかしです。
週明けの月曜日だけは、この「オセアニア市場」のオープンには注目する価値があります。
何故なら、「窓開け」が起こる可能性があるのがこの時間だからです。
が、
あなたがもし日本のFX業者をお使いであれば、
おそらく月曜日に取引出来るようになるのがだいたい7:00くらいなので、
残念ながらこの「週明けだよ!オセアニア市場窓開け祭り!」には参加することが出来ません。
しかしながら、窓を開けてすぐはチャンスと言えばチャンスなんですが、
「毎週絶対窓が開く」なんてことももちろん無いし、窓を開けてすぐの混乱した相場は初心者には少々リスクが大きいので、
文字をデカくしたりしてテンションを上げておいた手前アレなんですが、
やっぱ我々日本人は別にこの時間は大人しく寝ときゃいいんじゃないかと思います。
東京セッション【9:00~15:00】
世界三大市場のひとつである”東京市場”が9:00にオープンします。
日本のスーツマンたちがいよいよ動き出すわけです。
この「東京市場」の特徴としては、輸出入企業などの”実需筋”の影響が色濃いマーケットであるという事。
”日本円が盛んに取引される”という事ですね。
故に、ご想像通りクロス円の通貨ペアの動きが活発になりやすいという特徴があります。
東京セッションの9:00に合わせてUSD/JPYが大きく動く姿を、あなたも見かけたことがあるかと思います。
クロス円をよくトレードする人は、特に午前中の時間帯は要注目です。みんな大好きUSD/JPYが大きく動くかもしれませんよ。
そして、逆にこの時間帯はクロス円以外の通貨ペアはほぼほぼ死んでます。
「東京時間」の間にGDP/USDが大きくブレイク!なんてことは、まーほとんど無いでしょう。
”日本円”がまったく関係ない上に、この時間帯は欧州は夜中、米国は仕事が終わり一杯ひっかけに行ってるような時間ですから。
なので考えようによっては、
これらの”動きようのない通貨ペア”を、ブレイクしない前提の強気で逆張りを仕掛けるのもひとつの手ですね。
この逆転の発想もまた「時間帯の優位性を生かす」という事でもあるのです。
で、この「東京セッション」には注意が必要な「横軸の節目」が4つあります。
ひとつめは、日本の経済指標発表。
「東京市場のオープンは9:00!」ばっかり思って、
うっかり指標発表の事を忘れないようにしないといけません。
そして発表の時間は、謎に8:30~9:00の間のいつかに発表するよとなっています。
時間にキッチリしている日本のはずなのですが、指標発表だけキッチリ一律にしないのかが謎過ぎますが、
「今回の指標発表は一体いつなんだよ!?」ということろも欠かさずチェックしておきましょう。
最近の日本経済の動きは世界的にも注目されてきている・・・・のかは厳密にはわかりませんが、
指標発表キッカケで相場が大きく動くこともあるので、注意しておいた方がいいには違いないです。
ふたつめは、9:55に「仲値」というものがあるということ。
まぁ「ある」というか、「決まる」と言った方が正しいのですが。
これっていうのは、銀行が実額ベースで資金を動かす小口の為替取引に対して
「今日は一ドルこの値段で両替します!」
という値段を9:55に決めてしますよ、というイベントなのです。
なぜこんなイベントがあるかというと、
やってくる客やってくる客に、銀行がいちいちリアルタイムの為替レートを用いて対応していたら
めちゃ大変だし、手間かかってしゃーないからだと私はざっくり解釈しています。
それ以外にも細かな理由はあるみたいなんですが、詳しく知りたい方は各自でググってどうぞ。
と、
私がまたもや投げやりな理由は、大事なのはそこじゃないからです。
この「仲値」において一番大事なポイントは、
「仲値」によって大きな影響を受ける企業など大口たちが、自分たちの有利な価格で仲値を決めたいがために、
とんでもない勢いで買いをぶっ込んでくることがあるというところです。
これに加えて「仲値」については、ゴトー日(5日、10日、15日、20日・・・などの企業の決済日)などもありますが、とにかく細かいことは一旦横に置いておいて、
「9:55に向けて、USD/JPYが上昇する傾向があるんだな」と、シンプルにこれだけ覚ておけばOKです。
(この辺のアノマリー的なモノは、詳しくはメルマガで深堀りしますね。)
お次、みっつめ、しなっと書いてある(日銀)。
これはかなり要注意です。
これに関しては、ファンダメンタルを追いかけていなければ”何が、どうなって、そうなったのか”が不明なことが多いのですが、
とにかく、日銀総裁が為替介入という形でぶっ込んでくるか、
”市場参加者の期待を裏切る”という形でぶっ込んでくることがあるので、
指標発表のスケジュールに「日銀金融政策決定会合」なんていう、
”日銀がなんか言うっぽいイベント”の存在が確認出来たら、我々テクニカル主体のトレーダーは必ず厳戒態勢を敷きましょう。
さらには、この「日銀政策決定会合」が12:00なんて書いてあったとしても、絶対に信じちゃダメです。
ぶっ込んでくるときは、大抵発表が12:00を余裕で過ぎる傾向にあります。
約束の時間も守らず、なおかつ、ぶっ込んで来る・・・・マジで恐るべし過ぎます、(日銀)。
しなっとカッコ書きににしてあるわりには、実は危険すぎる「横軸の節目」なので、本当に気を付けて下さいね。
で、ようやく最後の4つめ、東京オプションカット。
・・・・と、本題に入る前にひとつ確認しますが、集中力、大丈夫でしょうか?汗
書いてて思いましたが、「東京セッション」は細かい注意点多すぎな上に、ひとつずつが濃すぎますね。
もうここまでで何回「ぶっ込む」って言ったかわかりません。
考えてみれば、今まで生きててこんなにも「ぶっ込む」連呼したこと今までなかったです。
でもまぁ慣れちゃえば今まで言ってきた事なんて自動で気をつけれるようになってくるので、心配ご無用。
仮に、頭では覚えられなくても、一回でもうっかりぶっ込まれてしまえば嫌でも体で覚えますよ^^
ん?嫌ですって?
じゃあ、気を取り直して集中していきましょう!
では改めまして、
最後の4つめ東京オプションカット。
これっていうのは、「通貨オプション」という金融商品の権利行使の締め切りの時間です。
それが15:00にあるということ。
で、
そもそも「オプション」って何よ?という所だと思うのですが、
これは超ざっくり言うと、「この期限までに、この価格になったら勝ちor負け」みたいな取引と思って下さい。
実際はこれに以外にも、もっと多くの取引方法があるのですが、これについて詳しく知りたい方は、各自ググってどうぞ。
と、私が本日3度目の投げやりになるということは、
私たちにとって重要なポイントは他にあるということです。
私たちに関係があるのは、
例えば、USD/JPYのレートがグングン上昇してきたとして、
「113.80になったら負け」といった通貨オプションを取引をしている大口のスーツマンたちがいるとすれば、
いよいよレートが113.80の手前まで登ってきて、崖っぷちに立たされた大口スーツマンたちが、
レートをなんとか下げて自分たちの「負け」を避けるために、
15:00を過ぎるまでは大量の売りを浴びせてくることがあります。
これを俗に「OPバリア」といいます。
なので、大口のスーツマンたちの注文がどこにたくさん溜まっているかを知ることが出来れば、
「その価格の手前でレートがカクッと反転するんじゃないか?」
ということが、事前にある程度は予測できます。
ここが重要なんです。
とは言っても、基本的にはどこに注文が溜まっているかは秘密にされています。
が、
なんと親切にもこれを教えてくれるサービスがあるのです。
それが、こちらのサイト様。
https://www.traderswebfx.jp/marketorder/default.aspx
この様な感じで、通貨ペアごとに、OPカットについての情報や、
どこにオーダーが多く入っているか?など情報をゲットすることが出来ます。
親切+便利すぎます。
しかも、なんで無料?
マジ心底助かるっす。
続きは次回へ持ち越し
ここまででかなりのボリュームになってしまったので、今回はここまでとして、
残りの「ロンドンセッション」、「ニューヨークセッション」、「コアタイム」についての解説は次回に持ち越しにします。
次回の内容は、重要度がさらに増しますので、
集中力をしっかり回復させてからじっくり読んで下さいね!
というわけで最後に、
この「為替相場の時間割表」をPDFにしたものを、あなたにプレゼントしたいと思います。
為替相場の時間割表(夏時間バージョン)
⇒https://fx-skater.com/wp/wp-content/uploads/2016/11/FX-timetable.pdf
注意点を書き込んだり、部屋に貼ったり、自由に使って是非あなたのトレードに役立てて下さい^^
次へ⇒為替相場の時間割 ~”ロンドンセッション”と”NYセッション”~
今日は、初めから、終わりまで、約3時間かかりました。続きは、明日にします。 早々