どうも。投資家スケーターです。
今回は、トレンド反転を狙うべき3つのポイント、
①新値更新の幅が狭くなってきた
②長いヒゲが出た
③ボリバン±1σでサポートされて反転した
の中の「②長いヒゲが出た」について解説していきます。
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まずは「ヒゲ」について考えてみる
「②長いヒゲが出た」という根拠を使って逆張りエントリーを狙っていくには、
まずは「ヒゲというのは何か?」「ヒゲが出たということはどういうことか?」ということについて理解しておかねばなりません。
ヒゲ、スパイクとも言いますが、「これってなんなの?」という部分は、ここまで学んできたあなたならばもうお分りかとは思いますが、
今回は超基本的な所から考えて行きましょう。
まず、ヒゲってどうやって出来るの?というところなんですが、これは単純に、
「一度付けた高値(安値)を付けたレートから、押し戻された位置でその時間足の終値が確定した時に発生する」
ということです。
図で書くと、
こんな感じですね。
(注:この①~⑥は「1本のローソク足の動き」と思って下さい。)
①、始値。ローソク足誕生です。
②、上からの売り圧力がかかり、始値より下方向にレートが伸びて行きましたよ、と。
③、売りの圧力がかなり強いです。このまま、どこまでも下落するのではないだろうか・・・。
④、ところがどっこい。買い圧力も「このままやられてばかりでいるもんか」とばかりに頑張る。
⑤、まさかの形勢逆転。
⑥、買いが絶好調に。
といったところ。これが「ヒゲのでき方」です。
次に「ヒゲが出たということはどういうことか?」ということを考えて行きましょう。
もしあなたが②で売りでエントリーしたとすれば、
③の時点ではもう「ニヤリ」ですよね。
しかし、
④になった時にどうするか?ということです。この時点では±0です。
「ん~、逃げとっか!」となるか「我、動かざる事山の如し。」のどちらかですよね。
まあ、どちらを選ぶかは、大体半々くらいの割合じゃないかと思います。
もちろん、この動きになったローソク足が、その時の流れのどの部分で出たものか?という部分で、
その意味合いにより、大きく判断は変わってくるかとは思いますが、とりあえず今はそれは言いっこなしで^^
では、⑤の段階ではどうでしょう?
「ハラハラハラハラ・・・」
じゃないですか?ハラハラしっぱなし。
「頼む!売り勢よ、頑張ってくれ!」と、祈るような気持ではないかと。
ここで「に、逃げろ~!」という選択をする人が、
「我、動かざる事山の如し」を貫く人の数を上回ります。
最後に⑥、
流石に、「我、動かざる事山の如し」だった人も「動くこと雷霆(らいてい)の如し」で逃げ出します。
ローソク足が動く方向=「買い」と「売り」のどちらかの注文が、そのもう一方の注文の量を上回っている、ということですから、
①~③の間は、「買ってる人」より「売ってる人」の方が多かったと考えるのが妥当です。
となれば、その人たちにとって④~⑥の間はもう恐怖と苦痛しかないはず。
「ヒゲ」というものには、必ずこのような背景があります。
となれば、そのヒゲが長くなればなるほど、ヒゲの中で捕まっている人(エネルギー)は多い(大きい)ということが言えますよね。
つまり、逆方向へ大きく動く可能性が高い、ということになります。
ここまではOKでしょうか?
この”相場の原理原則”を、
トレンド反転を捉えることに利用してやろうじゃないか、ということですね^^
そのヒゲは反撃の狼煙(のろし)
しかし、「長いヒゲ」というものは、早々簡単に出るものではありません。
このような長いヒゲが出る場面というのは、基本的にトレンドの最終局面で出ることが多いです。
トレンドというものは、そのトレンドが出ている真っ最中という時には、その存在にはなかなか気付きにくいもので、
「もう伸びないだろ」「さすがにもう止まるだろ」といった考えで、トレンドに向かってくる人たちがいます。
そのような人たちがトレンドの継続のためのパワーになっている、というお話を以前しましたが、
この「長いヒゲ」も、まさにその人たちのような人が作り出します。
トレンドにあえなく引かされ続けてきたような人たちが、
「もう耐えられん!」となってポジションをぶん投げたところで、そのトレンドは終焉を迎えます。
「自分が損切ったところが、トレンドの底(天井)だった・・・」という経験は、あなたもあるのでは?
悲しいかな、そういう風に相場はなっているんです。
というよりも、
人間の本能的な部分で「もうダメ耐えれん!」と感じてしまう値動きが、ある程度共通している、と言った方がいいでしょうか。
そして、面白いことに、
同じトレンドを見てずーっと「買い」で入りたかったけど入れなかった人たち」が、
「もうたまらん!」となって飛びつき買いをしてくるタイミングはほとんど同じなのです。
ほとんど同じタイミングで、
いわゆる”負けている人達”の
「もう耐えれん!損切りだ!」という”決済の注文”と
「もう耐えれん!飛び乗ってやれ!」という”新規の注文”が集中するのです。
相場の原理原則として、
ポジションは膨らめばしぼみ、また、しぼみ切れば膨らむ、という性質があり(ボラティリティのサイクル)、
それによってこのような「トレンドのフィナーレ」が描かれるのだ、と私は解釈しています。
そして、まさにこのような場面で「長いヒゲ」というものが発生するのです。
チャートで見て行きましょうか。
ドル/円の1時間足です。
じわじわ順調に下げてきて(①)、底を形成して一度はトレンド転換したかと思わせておいて(②)、全否定の強烈な下げ(③)、そこからはヨコヨコで上に行く力はなく、また大きく下落(④)。
③~④だけ見ても壮絶なダウントレンドですよね。ざっと、240Pips程の下落です。
で、④の最安値を付けているヒゲに注目して下さい。
陰線で終わり、その次の足でも大きく下落すると見せかけてからの「長いヒゲ」を形成しています。
こういった場面でトレンド反転を狙ったエントリーを仕掛けます。
このチャートを使って、エントリー、損切り、利食いの方法を解説していきますね。
エントリー
エントリーは黄色矢印でさしてあるローソク足が、陽線になったタイミングで入ります。
「長い下ヒゲが出来た!」という認識が出来た=反撃の狼煙が上がった、ということです。
エントリータイミングはかなりシンプルです。
損切り
損切りは下ヒゲの最安値のチョイ下。もしくは、最安値ピッタリでもいいです。
どのみち、そこまでレートが来たら、この場合ではかなり危険なので。
利食い
エントリーに使った時間足で認識できる直近のサポート(orレジスタンス)まで引っ張る。
もしくは、ボリバン±2σで利食う。
ヒゲの長さによって、どれだけ伸ばすかを臨機応変に決められれば最高です。
もちろん、途中途中で分割で利食ってもよい。
今回の宿題
というわけで、今回のトレンド反転を狙うべきポイント「②長いヒゲが出た」の場面をたくさん探してみて下さい。
まずは、過去チャートをざっと遡って「長いヒゲ」を探してみる。
次に、これはFT2が無いと出来ませんが、「長いヒゲが出来た」と認識できたタイミングでのエントリーを何度も練習してみて下さい。
そして、その後の値動きを観察しつつ、損切りと利食いの精度を高めて下さい。特に利食い。
ヒゲの長さによって、ターゲットを変えられるようになれば最高です。
反撃の狼煙を見つけたら、ほぼ確実に仕留められるように練習しまくってみて下さいね。かなり強い武器になるので。
【PS】
「ヒゲ」というのは、その使う時間足ことにその意味あいが若干変わってきます。
なぜなら、各時間足というのは、「それぞれの時間が経過すればローソク足が1本形成される」ということだから。
1時間足では長いヒゲでも、5分足で見ればしっかりレンジになってたり、とかもあり得るわけです。
たまたま、始値と終値の位置が近かっただけで、それが1時間で見たらヒゲになって見えた、とか。
逆に、5分で見たら完璧なダブルボトムになってたり。
長期足でヒゲを見つけた場合は、短期足の動きも参考にすれば、その精度は上がります。
【PPS】
トレンドの終焉の他に、「長いヒゲ」が出やすい場面というものがあります。
「経済指標の発表時」です。
こういった理由で出た長いヒゲだけを信用して入っていくと、50/50の確率で痛い目あいます。
「そのヒゲが出来たことの背景には何があるのか?」という見極めが必要です。