どうも。投資家スケーターです。
FXは上がるか?下がるか?を予想する、とてもシンプルな投資。
単純に考えると勝率は50%になるはずです。
しかしながら、FXの世界では「勝っている人は1割、残りの9割は負けている」と言われています。
これはなぜなんでしょうか?
その理由を解明していこうというが、
この「FXは人間には向いていないシリーズ」の趣旨になります。
すでにトレードを嗜んでいる方であれば、思わず
「そう!それなんだよ!おれがいつもヤラれるのは!」
と、思わず声を上げてしまうような現象が、このシリーズでたくさん登場することうけあいです。
今はまだ、あまりピンと来ないお話でも、この先トレードを続けていく上で、
きっと、あなたの前にも、これらの壁が立ちはだかりますので、
まだまだトレード歴が浅い方も、予防接種を打っておくような感覚で、このシリーズを読んで頂ければと思います。
新シリーズ始まります
かなりショッキングなタイトルで、今回から数回に分けてお届けする「FXは人間には向いていない」シリーズ。
冒頭でも言いましたが、
このシリーズの狙いは、あなたを不安にさせるためのものではなく、
初めっから自分の弱点を認識しておいて、他者より圧倒的に有利な状態でFXに取り組んでもらうことになります。
このシリーズでお話しする内容は、
「勝手にそうなっちゃう。」「わかっていてもそうなっちゃう。」
というような、人間の奥底にある普遍的な概念です。
なので、
「いや、おれなら大丈夫。」
なんて思わず、どうか謙虚な姿勢で、これからお話しする問題に取り組んでいっていただきたいと思います。
それでは、第一回目の本題に入りたいと思います。
それが”ヒト”の心というもの・・・
いきなりですが、質問です。
問題1)
幸運なあなたはある権利を獲得しました。どちらか好きな方をひとつだけ選ぶことができます。①無条件で100万円が手に入る
②コイントスをして、表が出れば200万円手に入る。裏が出れば何も手に入らない
いきなりめちゃくちゃラッキー状況が、あなたに訪れました。
さあ、どちらを選びますか?
「やっ、そんなうまい話があるはずない!これは何かの罠だ!」
といって、”どちらも選ばない”という選択はなしですよ。
決まりましたか?
では、その答えは、ちょっとの間だけ胸の奥にしまっておいてください。
続きまして、次の質問です。
質問2) あなたに200万円の借金があるとします。
幸運なあなたはある権利を獲得しました。どちらか好きな方をひとつだけ選ぶことができます。①無条件で100万円が手に入る
②コイントスをして、表が出れば200万円手に入る。裏が出れば何も手に入らない
さあ、あなたはどちらを選びますか?
「ややっ、おれはそんな借金は知らん!断じて認めん!」
というところは、今は置いておいて下さい。
決まりましたでしょうか?
真剣に考えて頂いてありがとうございます。
それでは、答え合わせの前に、
この質問に隠された「人間心理」の部分を、考えていきたいと思います。
まず、質問1)の場合。
わたしならば、即答で①を選択します。
だって、なにもしないで100万円もらえるなら、絶対そっちを選びます。
コイントスをして表が出ればそりゃ最高ですが、万が一、裏が出たらどうします?悲しすぎません?
いや、「万が一」というか、確率は50%です。勝負してもいい気もするが、怖い気もする・・・。
「んー。やっぱそのまま100万円もらっとこ。」
ってなりませんか?
続いて質問2)の場合。
ここでさっきと違うのは、あなたに200万円の借金があるという部分です。
つまり、今回の質問は、
①を選ぶと、無条件で100万円手に入る。つまり、借金は残り半分。あと100万円マイナス。
②を選ぶと、コイントスで表が出れば借金チャラ!裏が出ればそのまま200万円の借金・・・。
ということになります。
あなたはどちらを選びましたでしょうか?
この質問はとても迷いますよね~^^;
なにもせずに借金が半分になるのはかなりありがたいし、①を選んでおいたいい様なが気がする・・・。
でも、②なら50%の確率でいきなり借金チャラだしな~・・・。
ん~。
悩ましすぎてハゲそうだ・・・。
・・・。
「ええい!思い切って、勝負してみっか!」
って、なりませんでしたか?
その名は、「プロスペクト理論」
この2つの質問は、「プロスペクト理論」というものを表した心理テストなのです。
この「プロスペクト理論」は、
行動経済学という分野で1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トルベスキーという人が提唱したものです。
(ちなみに、このダニエルさんは2002年にノーベル経済学賞を受賞しております。)
概要の説明はウィキペディア先生におまかせするとして⇒プロスペクト理論byウィキペディア
いったいこの理論がなんなのよ?というと、
同じ期待値の事柄でも、
人間は利益が出ている時は堅実な方を選びやすく、
逆に損失を抱えているときは、一か八かの方を選びやすい
ということを、証明してしまった理論なんです。
では、期待値とはなんぞや?というところですね。
期待値とは、
「ある試行を行なったときの、その結果として得られる数値の平均値」
のことです。⇒期待値byウィキペディア
これを踏まえて、さっきの質問の期待値を考えてみましょう。
①無条件で100万円が手に入る②コイントスをして、表が出れば200万円手に入る。裏が出れば何も手に入らない
ということでしたね。
これらの1回の期待値を考えると、
①はそのまんま、1回の期待値は100万円。
②は2回やったとすると、コインの表が出る確率は50%なので、
確率的には2回のうち1回は表が出ます。なので1回の期待値は100万円。
となり、実は期待値の観点からすると、どちらを選んでも、同じなんですね。
(「いやいや、確率50%とはいえど2回とも裏の可能性あるっしょ!」という方、確かにそうです。
が、1回の期待値としては同じなんですよ~^^)
ところが、先ほどの質問の実験結果では、
質問1)では60%の人が①の確実に100万円が手に入る方を選びました。
自分に負債がない場合は、大勢が堅実な方を選ぶんですんね。
(攻めの選択をした残りの40%の方は、投資家としての素質アリです!)
質問2)では①を選ぶ人は30%に減り、
70%もの人が②の50%で借金チャラの方を選んだそうです。
さっきは堅実な方を選んでいた人たちも、
自分に損失があると、それを丸ごと回避したくて博徒と化してしまう。
借金を回避したいがために、いきなりリスクテイカーに変身してしまうのです。
これがプロスペクト理論です。
これをトレードに置き換えると、
利益が出ているときは、すぐに利益を確定したくなっちゃう。
損失が出ているときは、一か八か、値が戻るまで待ってしまう。
または、今までの損を取り返そうと、
リスクを取りまくっていきなり大勝負に出ちゃう。
ということになるんですね~。
つまり、プロスペクト理論は、
「トレードを行う際、人間は、
本能的にはどうしても「損大利小」になる行動を取ってしまう。」
ということを証明してしまっている、ということなんです。
さらに、ヒトは負けることがなによりも嫌なんです。
同じ額の利益と損失では、損失の方が遥かに印象に残るということが、行動経済学で証明されています。
(これを「損失回避性」と言います。)
こんな何とも厄介な心理が、
あなたの心の奥底に標準装備されてしまっているのです。
というか、
すべての人間に。
普通の生活を送るのには、これらのことが害になることは少ないですが、
ことにトレードにおいては、これは致命傷になり得ます。
プロスペクト理論に負けないために
トレードで利益を残すために求められるのは「損小利大」です。
この「損小利大」とは、
「損は小さく抑え、利益は大きく取る」という意味です。
利益が出ている時は、そのリスクを残すべき、ということ。
大きく稼げるリスクを、自分の感情に任せて、早々に切ってしまうべきではないということです。
(リスクの本当の意味についてはこちらの記事をどうぞ⇒「リスク」の本当の意味)
逆に、損失が出ている時は、
そのリスクをなるべく早くに取り除くべき。
これが「損小利大のトレード」であり、
トレードで勝つために求められる姿勢なのです。
言ってしまえば、
これが出来ないと、トレードではどーーーしても負けてしまうんです。
しかし、
人間は、どうにも遺伝子レベルで、
この「トレードに勝つために求められる姿勢」と真逆の行動を取ってしまう、ということ。
これが、
単純に考えれば「上がるか?下がるか?」の50/50の確率であるはずのFXが、
ほとんどの人にとって、利益を残すことが飛躍的に難しくなってしまっている大きな原因のひとつです。
なので、なるべくトレードをするときは、「損小利大」を心掛けましょう!^^
と、
散々ビビらせておいて、
最後はざっくり放り投げて終わるのが普通のFXブログですが、
投資家スケーターはその先まで行きます。
むしろここからが一番重要な部分です。
すでに結構長いですが、もうしばらくお付き合い下さい。
ここまでで、
トレードにおいて、人間は皆、どうしてもプロスペクト理論というのもに支配されてしまい、
無意識のうちに「損大利小」になる行動を取ってしまう、という事がわかりました。
トレードは人間そのままの心理状態ではどうやっても負けてしまうことが証明されているということ。
どうにも、早く利食っちゃう。
どうにも、損切りできない。
このようなことが起こるのは、当たり前なんだと。
「普通にやってたら、お前ら人間は、FXでは絶対に勝てないよ。」
そう、ダニエル・カーネマンさんとエイモス・トルベスキーさんは、私たちに言っているわけです。
我々はこの忌まわしき「プロスペクト理論」の逆を行かねばならないのです。
勝つためには、半ば無理やり「損小利大」に持って行かなくてはならないのです。
「じゃあどうればいいんだよ!?
答えを教えておくれよ!ダニエル!エイモス!」
と言うのが私たちの心の叫びです。
ここで、
「なにくそー!
なんとしてでも、おれは損小利大なトレードをするんだ!」
と思いながら、その時々の自分の判断に頼ってトレードをしていても、
結局は、あっさりプロスペクト理論に喰われます。
なので、
唯一の解決方法としては、
「損小利大になるトレードルール」
これを、ひたすら守ることに意識を向けるしかない、ということです。
もう含み益の金額とか見ない。
いちいち含み損の額も見ない。
見るのはチャートだけ。
チャート上で、
事前に自分が決めた所まで、利益を伸ばすなり、損切りをすることに徹すること。
そのために、”損小利大になるトレードルール”を作る必要があります。
(作る、といっても完全オリジナルでなくても全然いいです。誰かのルールを参考にしてもちろん結構。
しかし、絶対それは検証して、自分が納得しなければいけません。その意味で「作る」と言っています。)
そして、感情に左右されず、ルールを徹底的に守る訓練をする。
一言で「ルールを守る」といっても、
これは全然簡単なことではありません。
訓練なしには不可能です。
最初っから、スッとルールを守り続けれる人なんていません。
最初は辛いかもしれません。
納得がいかない時もあるかもしれない。
ふと、
悪魔が耳元で
「耐えていれば、値が戻るかもしれないよ。」
と囁いてくるもしれません。
ダメです。その言葉に耳を貸しては。
それではダニエルの思うツボです。
(注:別にダニエルが悪魔なわけではない)
あなたが有効だと信じているルールがそう言っているなら、有無を言わさず即損切りです。
無感情で損切り。
利益の場合は、もっと利益が欲しくても、ルール通りに利食い。
もしくは、どんなに利食いたくても、ルール通りにホールド。
これらの結果が芳しいものでなければ、その場でルールを変更するのではなく、
ポジションを持っていない状態でそのルール自体を見直すなり、強化するなりして下さい。
いざトレードに入ってしまったら、
あなたの感情は邪魔にしかならない可能性が非常に高い。
そして、
プロスペクト理論に食われて「損大利小」になる人たちには、ある共通点があります。
それは、事前に出口を考えていない、ということ。
エントリーしてから、必死になってどこで利食うか?どこで損切るか?などを考え始めるのです。
(そもそも、この出口の目星をつけておかないと、
エントリーするべきか?見送るべきか?の判断が出来ないし、持つ枚数も決まりません。
よって、本来ならばエントリーは出来ない。)
このことがどんなに危険な事かは、あなたはもうわかりますよね?
ほとんどの人が”トレードルール”を持たずに、その場の判断でトレードしてしまっています。
というかもう、ルールを作ろうともしない。
そして、エントリーする時には、自分の期待する結果以外は見えていません。
だから損が出始めると、それを認められない。
んなもん、ダニエルに食われて当然です。
(注:ダニエル=「プロスペクト理論」)
こういう人たちは、戦う舞台にすら上がれていません。
その人たちは、はっきり言ってです。
なので、
プロスペクト理論に喰われないために、
あなたは、
まずは相場の原理というものをしっかりと理解して、
その上で、自分が心から納得できるルールを、
自分自身で作り上げる(もしくは、見つけ出す)必要があります。
【PS】
しかし、
プロスペクト理論に喰われて勝てていない人でも、
「検証は大事だ」「トレードルールは大事だ」
なんていうことは、おそらく重々承知しているはずです。
問題はなのは、
「そのやり方がわからない。」
この部分なんじゃないかなと、私は思うのです。
メルマガ講座の方では、
自分に合ったルール作りの第一歩として、
まずは「相場の原理原則」を自分の中に染み込ませるためのワーク(検証)を、徹底的にやってもらっています。
そのワークで読者の皆さんが気付いたことなんかも、定期的にシェアしているので、
「自分以外の投資家が、どのように相場を見ているのか?」
「同じことを学んでいる人に、どのように相場が見えるようになっていっているのか?」
ということも知ることが出来ます。
「トレード上達の為に、何をしたらいいかがわからない」
正直、そんなことで悩んでいる時間が勿体ないです。
一刻も早くメルマガ講座に登録して、今すぐ前に進み始めて下さい。
拝読しました。