どうも。投資家スケーターです。
FXでも株式でも「価格(レート)」というものは、
市場が開いている間は1、秒たりとも止まっていることはなく、常に動き続けています。
今回は、なぜ「価格(レート)」は動くのか?
その根本である原因と、その裏側にある背景を考えていきたいと思います。
原理は実はシンプル
まずは相場が動く仕組みを、ざっくりと考えて行きましょう。
為替レートは、ある国とある国の通貨の交換比率を表したものです。
例えば、「ドル/円」であれば、「アメリカの米ドル」と日本の「円」の交換比率を表したものになります。
これが動く原因は「需要」と「供給」です。
言い換えれば、単純に「買い」と「売り」で動いているということ。
なんらかの理由により、日本円より米ドルの価値が高まれば、日本円を売って米ドルを買う人が増えます。
「円」を売って、「ドル」を買う。
つまり、通貨ペアで言うならドル/円を「ロングする人が増える」ということになり、
チャート上では「上昇」という形になって現れます。
逆に、なんらかの理由で、米ドルより日本円の価値が高まれば、米ドルを売って日本円を買う人が増えます。
「ドル」を売って、「円」を買う。
つまり、通貨ペアで言うとドル/円を「ショートする人が増える」ということになり、
チャート上には「下落」となって現れます。
基本的にはこれがすべてです。
相場は、誰かのロング、誰かのショートで動きます。
このことは、とても大切な事なのですが、
FXに馴染みが浅いうちはすぐにはあまりピンときづらいと思うので、今回はいろんな角度から考えてみましょう^^
どちらに動くかは「多数決」で決まる
実際に「FX=為替」は色んな要因が絡んで動いています。
各国の景気動向、株価・金利・物価、の影響を受けたり、投機的な「売り買い」(一般投資家やファンドなど)だけではなく、実需筋(企業などのビジネス系)の買い入れや決済などでも動きます。
あと、「どこかの国でテロが起きた」などの「地政学的要因」などもあったり、もうめちゃくちゃたくさん理由があります。
が、
実際に相場を動かしているのは、理由はどうあれ、
その事象を受けて「相場参加者がどう感じたか?」という部分です。
その上で、ロングする人が多かったのか?ショートする人が多かったのか?
結局は、これが相場を動かす唯一の原因です。
極端なことを言えば、その「ある事象」が起こっただけでは相場は動かないということ。
動きようがないんですよ。
「需要」、もしくは「供給」がどちらかに偏らなければ、相場は動かない。
なにが原因で動いたのか?という本当のところは、私たちは知ることが出来ません。
しかし、さっきも言った通り、
原因はなんであろうと、「買い」と「売り」で動いている以外に動く理由はありません。
誰かしらの「ロング」、もしくは「ショート」で動いているということ。
何度も言いますが、これに尽きます。
そして、それは値動きとしてチャート上にはっきりと記録される。
これを踏まえて、次の図を見ていきましょう。
まずは赤線のドル/円のレートが上昇した場合を考えてみましょう。
「1ドル当たり110円で交換できますよ~」という状態から「1ドル当たり120円で交換できますよ~」という状態になりました。
これは、円を売ってドルを買う人が多かったということ。
(この状態を、「円安ドル高」といいます。)
なんらかの理由で、ドル/円を「ショート」する人より、「ロング」する人が多かったということになります。
円売り、ドル買いです。
つまり、ドルが買われている。
次に、青線のドル/円のレートが下落した場合を考えてみます。
「1ドル当たり110円で交換できますよ~」という状態から「1ドル当たり100円で交換できますよ~」とう状態になった。
これは円を買ってドルを売る人が多かったというこということ。
(この状態は「円高ドル安」といいます。)
なんらかの理由で、ドル/円を「ロング」する人より、「ショート」する人が多かったということになります。
円買い、ドル売りです。
つまり、円が買われているんです。
ひとつの通貨ペアだけでは、これだけしかわかりませんが、
通貨ペアというものは、他にもたくさんある
ということを思い出してください。
そしてそれぞれには、共通した通貨を含む通貨ペアがありますよね?
「ドル/円」と「ユーロ/円」、「ポンド/円」、「豪ドル/円」、などや、
「ユーロ/ドル」と「ポンド/ドル」、「豪ドル/ドル」、など。
また、「ユーロ/ポンド」など、「ドルと円以外」同士の組み合わせの通貨ペアもある。
このそれぞれの通貨ペアにおいて「どちらが買われているか?」ということは、チャートを見れば(長期的な方向ならば)一目瞭然なわけです。
例えば、
ドル/円、上昇。
ユーロ/ドル、下落。
ポンド/ドル、下落。
豪ドル/ドル、下落。
この場合では、(これだけでは)その理由はわからないが、
「ドルが買われている」ということははっきりとわかります。
ということは、他の「ドルストレート」の通貨ペアにおいても、
「ドルが買われ、その相対の通貨が売られるかもしれない」ということがわかります。
なぜなら、「とにかく今は、ドルが強いぞ」という証拠がチャートに残っているから。
この方法を使えば、逆に、「弱い通貨」というものも、当然ながら見つけることが出来ます。
それぞれの通貨ペアのチャートが向いている方向を組み合わせて見ることで、
「どの通貨が買われているか?」=強い通貨
「どの通貨が売られているか?」=弱い通貨
というものを炙り出すことが出来る。
そして、その「弱い通貨を売り」、「強い通貨を買う」ことになるような通貨ペアで取引すれば、
原理としては、圧倒的に勝ちやすくなるはずです。
市場がどの材料に反応したか?という、その根源を探し当てることは、私たち個人では至難の業ですが、
その結果、どの通貨が売られていて、どの通貨が買われているか?ということは、意外と簡単にわかってしまうのです。
これを自分のトレードに生かさない手はないでしょう。
買われたモノが分かれば、市場の気持ちが見えてくる
また、何が買われたか?ということを知ることで、
今、市場はどんな気持ちなのか?ということを知ることもできます。
例えば、
「日本円」は、世界では「安全通貨」という認識がされています。
「金(GOLD)」なんかもそうですね。
どこかの国で金融危機が起こったりすると、これらが一気に買われる、ということが起こり、
ドル/円のレートが急下落、なんてことが起こります。
(GOLDのチャートの場合は、急騰になります。)
こうなった時は、市場は「リスクオフ」になったということ。
つまり、
市場には、「お金を「リスク資産」から「安全資産」に逃がしたい!」というムードが漂っている、ということになります。
ざっくり言うと、「なんかヤバそうだから、自分のお金を守らなきゃ!」とみんなが思っている、ということですね^^
こういったことを日々気にかけ、ロイター通信などのニュースサイトをチェックしておけば、
「今のこのドル/円の下げは、○○国の金融危機から来ているものなんだな!
よーし、強気で売りポジション保有だ!」
なんて判断が出来る時もあります。
また、経済の仕組みとして、「お金は金利の高い方に流れる」ということも知っておかなければなりません。
金利が高い通貨で自分の資産を保有していれば、
金利が低い通貨として自分の資産を持っているよりも、お金は増えます。
当然、誰だって出来ることなら、お金は増やしたいわけです。
となれば、金利の高い通貨の方へお金が流れるのは当然ですよね。
ただ、ここで気を付けなければいけないのが、
金利の高い通貨には”それなりの理由”というものが、大抵の場合、存在するということ。
もう超乱暴に言うと、
「なにかと”ヤバい”から、金利くらい高くしておかないと誰もその通貨を欲しがらない」
といったところですかね。(怒られるかな?)
こういった「ヤバいところ」にお金が集まることを「リスクオン」と言います。
さっきの「リスクオフ」と反対ですね。
つまり、このような時は「日本円」は売られます。
日本円なんかは金利はほとんど付きませんから。
これらを売って、株、ユーロやポンドなどの値動きが激しい通貨、新興国通貨などが買われます。
なので、この金利の動向も、私たち為替のトレーダーも気にかけておく必要があるでしょう。
で、金利の動向を知るためには「米国債の長期金利」をチェックしておけばよいです。
(ここら辺の詳しいことは、後々の章でお伝えします。)
と、なんだか小難しい話になってきてますが、
要は、その時の市場全体がどのようなムードなのか?ということを、
ある程度は分かっていた方が有利に戦えますよ、ということです。
「リスクオン」(リスク選好相場)は、一方向へ動いた値動きがジリジリと長く続く傾向があり、
逆に、「リスクオフ」の場合は、値動きは早く、そして、大きくなりやすい。
私たちは基本、チャートを見て、その値動きを分析して、相場の先を読みます。
テクニカル分析ってやつを駆使するんですね。
ただ、それだけに固執し過ぎてもよくありませんよ、
視野が狭くなり過ぎないように気をつけましょうね、ということが言いたいわけです。
- 相場は「売り」と「買い」で動いている。
- 「各通貨ペアはそれぞれ好き勝手な方向に動いているわけではない」ということ。
- 「為替は為替の都合だけで動いているのではない」ということ。
これからあなたは、
テクニカル分析を主軸にした裁量トレードを学んでゆきますが、
この3つのことだけは決して忘れずに、常に意識するようにしてくださいね^^
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頑張ります。
ありがとうございました。
有難う御座いました。 早々