どうも。投資家スケーターです。
「2章リスク管理」では、ここまでで、
「リスク管理を支える”4つの柱”」の1つめの柱、「ポジションコントロール(資金管理)」として、
リスク管理の基礎中の基礎である「何度でも蘇れるトレード運用計画」という資金管理術を学び、
トレードには”付き物”である「損失」への捉え方をプラスの方向へ持って行く術を学び、
1トレードでの損失額を自分の意のままに操る方法を学んできました。
これらを踏まえた上で、
今回からは、「リスク管理を支える”4つの柱”」の2つ目の柱、
「ストラテジー(戦略)」へと入って行きたいと思います。
これから学んでいく「ストラテジー(戦略)」の内容は、
ここまで学んできた「ポジションコントロール(資金管理)」を、
”100%活かしきる為の内容になります。
なので、逆に言えば、
これから学んでいく部分が疎かになってしまっていれば、
いくら「資金管理」を徹底し、損失への恐怖に打ち勝ち、1トレードの損失額をコントロールしようとも、
トレードで利益を積み重ねていく事は非常に困難になってきます。
また、何故だか損失ばかりを被ってしまい思う様に利益が残っていかないという人は、
間違いなく、この部分への対処が甘いとも言えます。
つまり、トレードでは、
この「ストラテジー(戦略)」で学んでいく部分がスッポリ抜けていては、
どう頑張ってもトータルでは負けてしまう、という事態に陥ってしまうのです。
それほどまでに重要なのが、この「ストラテジー(戦略)」になってきます。
今回はその第一回目として、
リスク管理における「ストラテジー(戦略)」の大枠の概念をお伝えしていきたいと思います。
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トレードで勝つために最も大切なものは何か?
いきなり質問から始まりましたが、なんとかついて来て下さい。
さて、いきなりですがここであなたにお考えいただきたいのですが、
トレードで勝つために最も大切なものとは一体何でしょうか?
・・・・。
まーこの質問自体がとてもふんわりしているものなので、
この答えは色々たくさん浮かぶかとは思うのですが、
例えばどんな答えが浮かんでくるかいつくか試しに挙げてみましょうか!
・損切り
うん。これも勝つためにはひじょーに大切なモノですね。
だって、何度も言っててしつこいようですが、トレードでは「損失」は付き物ですから。
なので、確かに”これ”が無いと、
万が一引かされた時はどこまでも資金が減っていく事になり、
トレードで勝つことは絶対にできません。
そしてこの答え、
すごい「リスク管理」の内容っぽい。
しかし残念ながら、
ここで私が聞きたい「答え」は、これではありません。
まーそうですよね。なんたって1発目ですから。
質問しておいて、1発目なんかで「答え」を出しちゃったら、
それはもう私の文章構成力やエンターテイメント力が疑われてきます。笑
・資金管理
「よし!「損切り」じゃないなら、ならば「資金管理」でどーや!」と。
その手で来る人もいるでしょう。
うーん。これもいかにも正解っぽい。
また、どこかのブログなんかでは、
「資金管理だけでFXは勝てる!!」
なんて言葉も見かけた気がするぞ~。
しかし残念。
私があなたから引き出したい答えはこれでもないのです。
だってよく考えてみて下さい。
逆に、ですよ。
”「損切り」や「資金管理」を徹底して行うだけで、
果たして、利益は積み上がっていくのか?”
って話になってくると思いません?
そうなんです。
これら”2つ”っていうのは、
”損失を最小限に抑える”
という色が強いわけです。
つまり、この2つっていうのは、
利益を出すための下準備、
“攻め込む際の作法”みたいなものなんですね。
しかし、いくら損失を最小限に抑えられていたとしても、
そもそも損失ばかりを喰らっていては、
それでは残念ながら最後には破産して終わりなのです。
これをすごく分かり易く言えば、
いくら「損切り」と「資金管理」を徹底していても、
テキトーな所でトレードしまくってたら、
そんなんどう考えても勝てるはずないじゃんか、ってことです。笑
トレードで勝つためには、
損失を最小限に抑えることも確かに大切ですが、
前提として、それを上回る利益を上げていかなければなりません。
であれば、そのために最も大切なことは一体何なんでしょうか?
・運
・・・。
まぁこれも確かに必要です。
ただし、厳密に言えば、
「運」というか、「流れ」と言った方が誤解が少ないんじゃないかなと。
こういったものも、トレードで勝つためにはガッチリと掴んでおいた方が良いには違いなく、
また、そもそもこれっていうのは、
偶然のたまたまで自分の身に降りかかってくるモノではなく、自分自身で意識的に引き寄せるモノです。
おそらくあなたも「運」は実力の内なんて言葉を聞いた事があると思うのですが、これは本当で、
実際に、成功者の多くは「運」を味方に付けている人がほとんどです。
で、その理由や原理の部分については、
「エネルギー」という概念を元にすべて説明することが出来るのですが、
これを今ここで説明し始めると、それだけでこの記事がもの凄く長くなってしまうのと、
ブログのような誰でも見れるオープンな場でこれを説明すると、
私の事をなんかすごい「胡散臭いヤツ」みたいに思っちゃう人が多発する危険性が非常に高いので、笑
また、これはこの事実を受け入れる事が出来る下準備が整った人から、
自然とその情報の方からあなたの方に近づいてくるはずなので、
今ここで説明するのは辞めとこうと思います。
とは言え、”これ”も確かに大切な事なんですが、
もちろんながら、「トレードで勝つために最も大切な事」とまでは行きません。
これは、あくまで+αな要素です。
じゃあ一体トレードで勝つために最も大切な事って何なんでしょうか?
これ以上引っ張ってもアレなんで、そろそろ「答え」を言っていきますね。
トレードで勝つために最も大切なモノは、「優位性」。
はい。と、言うことなんですね。
まぁなんなら、この記事のタイトルからして、
察しの良い方ならすでに私が何を「答え」にしたいか分かっていたんじゃないかなと思います。笑
改めて言いますが、
トレードで勝つために最も大切なモノは、「優位性」です。
厳密に言えば、「優位性」を認識すること、となるでしょう。
何故なら、
”不確実の極み”と言っても過言ではない「相場」という戦場で勝ち続ける為には、
この「優位性」というモノをしっかりと認識して、
”それを味方に付けるような戦い方”を選択しなければいけないからです。
しかしです。
この「優位性」という言葉というのは、
それが指す対象範囲がめちゃくちゃ広いのです。
例えば、
相場環境自体にも優位性というものは存在しますし、
あなたが使う手法にも優位性というものは存在します。
また、トレード運用計画自体にも優位性というものが存在します。
で、
相場環境の優位性だけで言っても、それには様々な種類があり、
もしも、あなたがトレンドフォローを狙うとするならば、
「トレンドが出やすい通貨ペアをトレード対象に選択する」という事がもはや優位性になってくるし、
その選んだ通貨ペアがEUR/USDだとすれば、「欧州時間からトレードする」という事も優位性になってくる。
また、今度はこのEUR/USDのチャートを見れば、
「長らく縮小していた長期足のボラが拡大し始めた」だとか、
「強く意識されていた週足の水平線をようやく抜けた」だとか、
おそらくそこにも、トレンドフォローを狙う為の何かしらの「優位性」が発見できるでしょう。
また、チャートには複数の時間軸のものがあるわけですから、
その”それぞれの時間軸のチャート”の中にも何らかの優位性は必ず存在するはずです。
みたいに、
「右見ても左見ても、もう「優位性」だらけじゃねーか!」と、
相場っていうのは、ヘタするとこーゆー事になってくるわけです。笑
相場に無数に散らばった優位性を活かすための”絶対条件”
じゃあですよ。
そんなに優位性が大安売りしているなら、
もはやテキトーにその場に存在する優位性を繋ぎ合わせて、
その時々の相場に合わせたトレードを変幻自在に繰り広げていけばいいんじゃないかと。
そう思うかもしれません。
しかし、これをやってしまうと、途端に、
あれだけ沢山あったように見えた優位性が、一瞬にして活かせなくなってしまうのです。
何故ならこれは、
「一貫性」という”不確実性に対するための最強の優位性”を放棄していることになるからです。
この「一貫性」というモノが相場を制するカギであり、
多くの人が、どれだけトレードの学習を積んでも、検証を重ねても、
一向に相場から安定して利益を積み上げられないのは、
この部分がスッポリと抜け落ちている場合がほとんどなんですね。
そしてなぜ、多くの人がこのような事態に陥っているかと言うと、
それは、相場に多く存在する「優位性」こそが、
この「一貫性」という”最強の優位性”を損なわさせる大きな原因になっているのです。
つまり、言ってしまえば相場って、
いつ見てもまぁそれなりにチャンスがあるように見えてしまうんです。
だから多くの人は、
見ようによってはいくらでも見つけられてしまう「優位性」にそそのかされて、
あっち狙ってみたり、今度はこっち狙ってみたり・・・・って感じでフラフラフラフラしてしまい、
後から見れば「あ〜ぁ。なんでこんな所でトレードしちゃったんだろ…。」みたいな事になるのです。
つまり、圧倒的”捨てる勇気”不足。
これが、トレードで勝ち続けられるようになるまでに存在する「最大の壁」なのです。
要は、「一貫性」があって初めて、相場に無数に存在する「優位性」が生きて来るわけです。
という事は逆に、
トレードで勝ち続ける為には、
「一貫性」のある行動を執り続ければ良い、
という事になります。
つまりは、
自分が狙うべき場所をハッキリとさせて、それ以外の場面をすべて無視する、
ということですね。
この態度を貫き通す覚悟を決めることが出来てこそ、
トレードにおいては”戦う準備が出来た”と言っても過言ではないでしょう。
したがって、相場に無数に散らばった優位性を活かすための絶対条件とは、
「自分が狙う場面を絞る」ということであり、「それ以外の場面は無視する」という事で、
つまりは、その時の相場から「自分が味方に付けるべき優位性」と「そうじゃない優位性」を見分ける目を持つ、
という事なのです。
「ここでは絶対に戦わない」という姿勢を決め込む優位性
トレードで勝ち続けられるようになる為には、
「自分はここでは絶対に戦わない」という場所を明確化する必要があります。
ここがビシっと決まって初めて、
トレードでは利益が積み重なっていくようになります。
しかし、これが殆どの人にとっては極めて困難な事になってくるのです。
何故なら、その時の相場に存在する優位性を、
自分のフィーリングを元に繋ぎ合わせて戦って行ったとしても、
うっかり、そこそこ勝ててしまうからです。
それで、
「ほらね。やっぱり状況に合わせて戦い方を変えた方が、早く利益が積み重なっていくし、
自分は早くトレードで大きく稼ぎたいから、こっちの方が断然いいんだよ。」
なんて勘違いをしてしまうのです。
確かにこれで、物凄いスピードで利益が積み重なっていく時もあるかもしれませんが、
これでは、長くトレードを続けていくうちに、必ず絶不調な時期に陥ります。
そしてその時に、今まで積み重ねてきた利益はもちろん、それ以上の損失を被る事が”ほぼ”なのです。
そもそも、
「その時の相場環境に合わせて戦い方を変化させる」というのは、
超上級者の戦い方なんですね。
そして、どれだけ損失を喰らっても、
その時に自分が選択した戦い方に絶対的な自信を持ち続けられる、
メンタル的スーパータフガイにだけ許された戦い方なのです。笑
なので、もしもあなたが、
神がかった相場観を持っていて、なおかつ、鋼のような強靭なメンタルを兼ね備えていれば、
その時々によって変幻自在に戦い方を変化させ、好きなだけポジションを作りまくればいいと思います。
しかし、あなたが私と同じように、
自分の相場の見立てが合う確率がざっくり50-50程度で、なおかつ、
一般的なメンタルの強さ、例えば、3回連続損切りになればちょっとヘコむくらいのメンタルの強さならば、
自分が狙う場面をなるべく固定して、それに見合った優位性を拾い上げる事に注力し、他は全部捨てる、
という戦い方を選択し、「一貫性の力」を見方に付けて相場を張っていくべきです。
確かに、あなたが捨てた場面で、誰かが利益を上げていることは間違いありません。
しかし、自分がそれをすべて拾いに行こうとすると、トレードでは結果的に必ず負けるのです。
何故なら、優位性っていうのは基本的に「表裏一体」なモノだからです。
例えば、トレンドフォローを肯定する優位性は、
一度それが否定されれば、今度はそれが逆張りを狙っていくための優位性になります。
「買い」を肯定する優位性が否定されれば、
今度はそれが「売り」を狙っていく為の絶好の優位性になるのです。
これに加えて、相場には「ダマシ」というものも存在するわけです。
なのにも関わらず、
こちらの狙いまでその時の優位性に合わせてコロコロ変えてしまっていては、
勝利を掴むための掛け算が複雑になり過ぎてしまうのです。
「1章で学んだ事を活かして「環境認識」を行い、
これからレートが動いて行くシナリオを複数立てる。」
これがトレードの基本的な戦い方であり、
確かにこの段階では、学んだ事をフルに生かして、
自分の狙いの方向へレートが動いていく事を肯定する優位性をなるべく多く発見し、
それを繋ぎ合わせて信頼度を高めていく必要があります。
しかし、その前に「自分が狙っていく相場の部分」をしっかりと定めて、
その狙いを肯定するような優位性が少ない場面は徹底的に無視すること。
つまり、
「ここがこうならないとトレードはしない」
「ここがこうなっている内はトレードはしない」
みたいなことですね。
こういった部分も、実戦経験や検証を元に明確化していき、
自分の中にいくつもストックしておくべきなのです。
つまりは、
”優位性の無い所では徹底して戦わない”という優位性
この”力”を存分に使って行きましょう、という事であって、
超簡単に言えば、
トレードしない所をしっかりと決めておきましょう、
という事です。
「自分が戦う土俵」をハッキリさせ、
‟その道を極める事”が勝利を掴むための最短ルート
これはもはや色んな所で言われているし、
私もメルマガかどこかですでに言っているかと思うのですが、
トレードというのは、ビジネスなんですね。
相場に存在する「収益機会(=チャンス)」に自分のお金を投じて、
より多くのお金を掴みに行く、「投機」というビジネスです。
ということは、そもそも論として、
“自分がどのようなビジネスを展開していくのか?”
(自分がどのようなトレードをするのか?)
という事を、前もってしっかりと定めておく必要があるということです。
また、
“そのビジネスを続けていてちゃんと採算が取れるのか?”
(そのトレードを続けていけば利益が上回るのか?)
という所も、もちろんながら事前に確認しておく必要があります。
つまりは、
自分のビジネス(=トレード)は、
どのくらいのコスト(損切り)をかけて、
どのくらいのリターン(利益)を得られるものなのか?
という事をハッキリとさせておく事が当然であるということです。
だって、リアル店舗を打ち立ててビジネスをやっていく場合で考えれば、
この部分があやふやなままで事業を開始するなんて言うのは、
とんでもないお話なわけじゃないですか。
しかも、実際に店舗を構えて事業を展開していくとなると、
まずは開業準備の時点で、もうめちゃくちゃお金がかかるわけですよね。
ほとんどの場合は、最初に大きな借金をして、やっとの思いで店を構えるに至るわけです。
となれば、ですよ。
例えば、いきなりあなたのお父さんが、
「わし!今月で会社を辞めて、自分の店を出す!」なんて言い始めたとします。
となると、あなたとあなたの家族は、
「えぇ!!?そんな事今まで一言も言ってなかったやんけ!!」
と、まずはあいさつ代わりに腰を抜かした後に、
「でも、一体何の店を出すの?」
って所が絶対に気になって、とりあえずは最初にお父さんに聞くと思うんですよ。
しかし、そこでお父さんが、
「実は、わしはその店で何をやるかはまだ決めとらん。
でも、それはその時に世間が求めているモノを売っていけばいいと思っとる。」
と、謎に「名言」のような事を真顔で言い出したとしたら、あなたはどう思うでしょうか?
そしてその流れで、
そういえばいつの間にか部屋の隅に置いてあった銀色のアタッシュケースを「パカッ」と開けて、
銀行さんから借りてた「目も眩むような額の開業資金」を見せられたら、
一体、あなたならどうするでしょうか・・・?
ヘタすりゃその場で殴り倒しますよね。お父さんの事。笑
「いや、舐めとんのか!!!!」、と。
そして、
「とにかくその金を今すぐ返してこい。」と、
家族総出で全力で諭すと思います。
だって、これじゃあどう考えても失敗しますもんね。お父さん。
なんか本人はカッコつけて「それっぽい事」言ってますけど、
実際の所、肝心の「何をやるか」って所がなーんにも決まってないわけですから。
これでは、客観的に見れば、お父さんはただ死にに行ってるだけみたいなもんです。苦笑
しかし、これって全然他人事じゃないんですよ。
これが「実際に店を出す」という事ではなく、いざ「相場を張る」という事になった時に、
このお父さんと全く同じ事を一切の悪気なくやってしまっている人が驚くほど多いです。
トレードの場合であれば、確かに、銀行さんから直接大量の開業資金を借りる必要はありませんが、
私たちはトレードを行う上では、FX業者に証拠金を預けて、
ほとんどの場合は、それにレバレッジというものをかけて信用取引をしているわけです。
例えば海外口座なら、‟1,000円ちょっと”しか預けていなくても、1万通貨でトレード出来ます。
ということは、ドル/円であれば、1万通貨=1万ドル=約110万円となるので、
考えようによっては、約109万9千円は他人のカネ、つまり借金してトレードしている事になります。
なので、実は「さっきのお父さん」とさほど状況は変わらないという事なんですね。
そこに付けて、
「実は、わしはどんなトレードをするかはまだ決めとらん。
でも、それはその時の相場によって変えて行けばいいと思っとる。」
なんて言いだしたら、これはもう「さっきのお父さん」とまるっきり同じじゃないですか。
つまりこれは、
客観的に見れば、ただ死にに行っているだけ
みたいなもんだという事です。
じゃあ今度は、
お父さんがさっきよりちょっとだけ進歩して、
「実は、わしは飲食店をやろうと思っとったんだ!
かつてのわしみたいなお小遣いが少なくて困っている、
お昼時のサラリーマンたちの空腹を満たしてやりいんだ!!」
と、目を潤ませながら熱く訴えかけて来たとしたら、どうでしょうか。
「うん。だから結局、何屋さんやるの?」、じゃないですかね?笑
熱い気持ちはまぁ分かったと。
でも、なんかまだぼんやりしてるなーという感じですよね。
というか、
お父さんにどんな熱い想いがあるかは知らんけども、
どう考えてもこれは「狙い」が曖昧過ぎるので、
そんなんじゃ、おそらくは何をやっても大手の飲食店には勝てません。
確かにさっきよりはずいぶんとマシな感じはしましたが、
このくらいではまだまだお父さんが心配です。
じゃあ次は、お父さんがこう言い出したらどうでしょうか?
「実は、わしは「立ち食い中華食堂」をやろうと思うんだ。
ほら。去年、家族で中国へ旅行に行っただろ?
あの時に何の気なしに食べた「飲茶(ヤムチャ)」にえらく心打たれてな・・・。
わしはどうしても自分の手で‟あの味”を再現したいし、
「美味しい飲茶」や「本格中華料理」を手軽にサクッと食べられる環境を作って、
時間のないお昼時のサラリーマンたちの、空腹と満足感の両方を満たしてやりいんだ!!」
「・・・・やってみようよ。それ。
それやってみようよ、お父さん!家族全員で応援するよ!!」
と、これならお父さんを家族総出で応援する余地が随分あったかなと思います。
そして何より、
仮に「立ち食い中華食堂」が最初はまったくウケなかったとしても、
何かとんでもないヘマをやらかして、店を続けられなくなるほどの大損失を喰らわない限りは、
お父さんには‟自分が極めるべき道”がハッキリと見えているので、
きっとどんどん‟いい味”が出せるようになっていくだろうし、
なんと言っても、お父さんは「飲茶」を心底愛している。
そんな、自分の天命に突き動かされているかの如しなお父さんが、
ちょっとやそっとの事でヘコたれるわけなんか絶対に無いし、
となれば、その‟味”と‟心意気”に共感したファンは徐々にでも増えていくに違いありません。
よって、「やってみる価値」大いに有り。
しかしながら、そうは言っても、
実際にやってみないと”どうなるか分からない”というのが、
「ビジネスの本質」なわけじゃないですか。
そしてこれは「トレード」でも同じです。
というか、トレードならなおの事そうです。
であれば、ですよ。
この「立ち食い中華食堂」をやる事に決めたお父さんの様に、
「自分はこれをやりたいんだ!」と思えるトレードだけを、
しつこくやり続け、その道を極めるべきだとは思いませんか?
だって、それですら結局は‟出たとこ勝負”的な色が濃くなるのですから、
それなのに、他にアレコレ手を出している場合では一切ないと私は思います。
つまり、いくら「立ち食い中華食堂」が全然流行らないからって、
「牛丼始めました。」とか、
「そば・うどんも始めてみました。」とか、
「今なら1,000円分飲茶をお買い上げのお客様に、タピオカジュース一杯サービス!」とか、
‟本来自分がやりたい事”、“得意な事”から逸れた無駄な足掻きはするな、という事です。
そうじゃなくて、
「冷凍飲茶お持ち帰り出来ます。」とか、
「飲茶の宅配サービス始めました。」とか、
「立ち食いじゃなくて、座れるようにしました。」とか、
‟本来自分がやりたい事”や“得意な事”、
つまりは、‟自分の軸”というか‟戦略”は保ったままで、
その時の市場のニーズに沿って「戦術」の部分は変化させて行くべきなのです。
要するに、まずは「自分の土俵」で戦う事にしつこく拘れ、という事です。
なので、今の相場が「自分の土俵」かどうかを見分ける目も必要になってきます。
そしてそれ以外の場面には一切手を出さない。
それか、もし手を出すにしても、それは「自分の土俵」外である事を認識しておく。
(あくまで「サイドメニュー」であることを自覚しておく、という事。)
かつ、「自分の土俵」内では‟その場”に合わせて自由に立ち回れ、という事なんですね。
そして、大前提として、それを続けていて利益が出る事を確認しておくこと。
という様に、トレードを飲食店に置き換えて考えると、
とても当たり前に思える事ばかりですが、
これが、「リスク管理を支える4つの柱」の二つ目、
「ストラテジー(戦略)」の大枠の概念になります。
さて。
これらのポイントを抑えた上で、あなたは「相場」という市場で、
どんなオリジナリティー溢れた面白い事業を展開していきますか?
次へ⇒「押すなよ!」から学ぶ、「優位性」という言葉の”本当の意味”と”実戦での使い方”